2104年12月2日。
厚生労働省に対する申し入れ、内閣総理大臣宛に署名提出、原子力規制委員会に申し入れを行い、
最後の申し入れが文部科学省。
文部科学省の申し入れの手続きをするために、文部科学省の二階のスペースにて待機していた。
見覚えのある文部科学省の二階のスペース。
この場所は、2011年5月23日、子どもに20ミリシーベルトを与えた文部科学省に抗議する為に、
福島のお父さんお母さんがたくさん訪れ、文部科学省に対して『福島の子どもを守って下さい』と、
必死に訴えていた場所。
福島のお母さんは涙ながらに言いました。
(写真:2011年5月23日 文部科学省20ミリシーベルト撤回交渉)
『福島の学校には毎時数十~数百マイクロシーベルトという恐ろしい放射線を放つ場所が
何の管理もされずに放置されています。
このような異常な状況を作りだしたのは、文部科学大臣が出した20ミリシーベルト基準によるのです。
のんびりとモニタリングをしている場合じゃありません。』
涙ながらに声を震わせ、訴えていた文部科学省2階のスペース。
それから月日が流れ、現状はまったく変わっていないどころか、
年間20ミリシーベルトの場所に帰還させるという現実。
3年以上の時間が経過し、同じ場所に自分自身が立って、
何も変わっていない状況に対して、
『本当にこのままでいいのだろうか?』
という想いを胸に、文部科学省の申し入れの為に館内に入った。
要求項目の(1)(2)(3)を実現させるため、プロジェクトのアクションを起こした結果、
直筆署名合計2290筆、及び、オンライン署名3083筆、総計5373筆の署名が集まりました。
(14/12/2現在)
申し入れと同時に署名をお渡しします。
◎署名の要求項目(2)の『自主避難者に避難の権利を与え補償すること』
という部分に関して、文部科学省担当者からお話を伺った。
担当者によると
「避難の権利と言う意味合いで言うと文部科学省が何かをできるという訳ではない」とのこと。
今回の事故で多くの方々が被害に遭われ、出来るだけ早く迅速に適切かつ公正な賠償を東京電力に払わせるために紛争審査会を設置。
東京電力と被害者の方との賠償交渉が上手くいかないという場合に、和解の仲介をする為の整備というのが、文部科学省の役割。
という説明を受けた。
『Codomo-Rescue』山本太郎が質問。
今の段階は損害賠償がメインということですが、
影響という部分を考えると給食なども関わってくるという感じですか?
担当者によると、
かなりの部分が環境省に移っていて、文科省は給食の放射性物質の濃度の委託調査行っており、
後は問い合わせがあれば相談にのるという程度とのこと。
次に、Codomo-Rescueが事前に質問をしていた部分に関して返答を頂いた。
その返答は、文書で頂いているので、レポートの最後に記載させて頂きます。
面談の中で、山本太郎さんが重要な事を言っていたので、箇条書きで記載します。
◎ 基本的に語られている事が外部被曝という部分。放射線管理区域の基準値が3ヶ月で1.3ミリシーベルトという事に関しても。それは外部被曝。内部にどれだけ取り込むかというのは流通しているもの以外からも入ってくる可能性がある。
◎ 都会では自家菜園をされている方はあまりいないかも知れないが、福島だけに汚染があるわけではなく飛び散ったわけで、
だからこそアメリカは14県輸入停止にしているという現実がある。
◎ その中で流通している以外の食べ物を口にするという子どももいると思う。
◎ 外部被曝でいくら語ったとしても、内部被曝に関しては「平均的個人」では語れない。
◎ 先ほど小澤さんが言ったように、子どもたちの遊び場は無限。僕は子どもの頃は側溝が好きだった。
放射性物質の溜まりやすいような場所が子どもは大好き。そこには危険性があると思う。
◎ 国が決めている基準値というものが、本当に子どもたちを守れるのか?
「直ちに影響が無い」というのが全てを物語っている。
低線量被曝を十分に考慮されているか?
ICRPでさえも長期の低線量被曝は一時に高線量を浴びる事より危険だということははっきりと認めている。
◎ 学校や子どもたちが毎日のように通う場所、子どもたちの健康・安全を管理する部分を統括されている
文部科学省にはもう少し力を貸して頂きたい。
◎ 国が決めた事に対して、大きく変えて行く事は難しい。例えば、この現状に対して、長期低線量被曝から守る為に
どうしたらいいのだろう?と考えた時に『保養』が重要になってくると思う。
◎ 今の状況を政治的に解決していくということは、よっぽどのことが起きない限りは無理だと思う。
そこをどうしていくかというと、心ある省庁のみなさんと連携をしていきながら、
子どもたちの保養をどうやって確立していくかが大事だと思う。
◎ 「子どもたちを被曝から守る為に保養に出せ」という事だと難しい部分もあると思う。
「被曝がある」「危険だ」ということと繋げていったら、今までは何だったの?ということになるから。
◎ 年間1ミリシーベルト以下に抑えるという事が、被曝に関しては世界的なコンセンサスだった。
だからこそ、小佐古さんも泣きながら辞任された。
一般的な公衆被曝は年間1ミリシーベルト以下に抑えることは放射線の世界においては常識。
それをこの国は20倍に引き上げて戻れと言っている。これは明らかにおかしい事。
担当者がこう説明しました。
『放射線の危険度は見解がいろいろあり、国としては年間1ミリシーベルト未満にしていく。
それであれば健康被害は基本的に防げていけるというスタンスでやっている』
それに対し、山本太郎さんは言いました。
◎ 年間1ミリ以内を目指すということでその過程において今現在、年間1ミリ以内におさまっていない所にも
子どもたちはいるという現状はあると思う。
1ミリ以内におさまっている所に全員が住んでいるかと言えばそうではない。
最終的に1ミリ以内を目指すという目標はあるがそれがいつになるかは分からない。
その期間はリスクが高いと思う。
◎ それがどのくらいの範囲に及ぶかというのは細かな核種の調査というのがどこまで行われているか。
セシウムを基準にしてその比率でストロンチウムなどの比率を決めているが、
果たしてそれがどれくらいまで正確なものなのか。
◎ 放出量から見て分かる通りという説明をうけたのですが、実際にその汚染源は止まっていない。
漏れ続けている。チェルノブイリのように一度の爆発でという話ではなく、ジリジリと漏れ続けているという環境。
事故後、こういう状況を何年も引きずった国というのは、恐らく日本が初めて。
◎ そこで食品の安全基準や被曝の基準も、これだけ元のものよりも上げられてしまった。
(食品の基準は、もともとなかったが)
◎ 事故以前にどれくらいのものを食べていたかというデータは、環境放射線データベースにある。
(事故前はほとんどが0.1〜0.2ベクレル/kg)
◎ 99ベクレル/kg、100ベクレル/kgの食品を毎日食べ続ける人はいないだろうが、
明らかに事故前に比べて高いものを食べている。
◎ 事故前よりも明らかにリスクを背負っている可能性が高い。放射線に関して専門家の間でも、安全・危険という
意見が分かれている。
内閣委員会で田中原子力規制委員長にも話を聞いて「安全だと言える根拠は何だ?」と、
「100ベクレル/kg、1000ベクレル/kgを食べても安全だとおっしゃっているが、
医学的な臨床結果があるのか」と聞くとないと。根拠はなしということ。
◎ 決めた基準がそれだから、世界の基準がそれだからというだけ。元となる臨床結果はない。
ということは、これを科学的と呼べるのか。
◎ 国が決めた事、しがらみがあることを急転回するのはほぼ無理。
その中で、子どもたちの被曝のリスクを減らしていくという事を、
学校を管轄されている文部科学省のみなさんにお力を借りて被曝を減らしていくしかない。
◎ 被曝を減らす方法を考えた時に、ベラルーシやウクライナでも、今でも行われている「保養」というものが重要だと思う。
体の中に溜め込んだ放射性物質を排泄させるような期間が必要だと思う。
次に学校給食に関して、意見交換をさせて頂いた。
◎文科省は給食に出す食材の放射線量は把握されているか?
この素朴な疑問に、担当者はこう答えた。
放射性物質の濃度調査という形で委託調査しており、福島だと全市町村、関係の周辺市町村(宮城や茨城を含む11箇所)はそれぞれ選定して、福島だけは事前調査をし、後は事前調査、事後調査という形でどれだけ放射線濃度があるかというのを調べている。
そして、厚生労働省の方で基準が決められていて、その基準を考慮に入れている
とのことだった。
◎文部科学省は給食の食材を指導出来るという立場にあるのですか?
文部科学省に食材を指導する権限はない。
◎給食から子どもの被曝を守ろうと思った場合、どこが管轄なのでしょうか?
基本的には国は一体となって動いている。厚生労働省は基準を示しており、
その基準は諸外国に比べても非常に厳しい基準にはなっている。
(放射線リスクに関する基礎的情報の19Pを紹介)
国全体としては、これできちんとやっていけるという考えの元で動かしている。
『Codomo-Rescue』小澤弘邦
◎ 測ったものが正確で漏れが無く、給食に放射性物質が含まれていないという前提だと思うのですが、
(厚生労働省が提示している)計測の仕方自体を考えてみると、全体の比率からすると少ないかも知れないが、
100ベクレル/kgの基準値を超えるものがあるということは認めざるを得ないと思うし、厚生労働省も認めている。
◎ 文科省は子どもたちの健康・安全・将来の不安を払拭するために、厚労省が出してきた基準よりも、
市民側が要求する内容を考慮に入れて頂きたい。
学校給食に関して、福島県在住『Codomo-Rescue』鈴木真理が言った言葉が印象的だった。
◎ 本来なら東日本広域の問題として考えなければならない事だが、福島での給食に関して、
「地産地消」をしてくれという流れがあり、福島のお母さんたちは「100ベクレル/kg以下かも知れないが、
汚染地帯の食品を子どもたちに食べさせる事を待って欲しい」と教育委員会に訴えた。
◎「地元の米とか野菜を食べてくれないと風評被害に繋がるから、あなた方が食べてくれないと売れない」という答え方をされた。
売れなくなるから汚染されたものを食べてくれと言うようにお母さんたちは感じた。
◎ このような考え方の元で、子どもたちに汚染された食べ物を強要させるという事はあってはならない事だと思う。
子どもの給食に関して、一般の基準よりも厳しくして欲しいというのは当然だが、このような考えのもと、
福島県では「地産地消」が行われているということを、文部科学省でも考えて頂きたい。
◎ お母さんの気持ちとしては「子どもが犠牲にされている」と感じるのは当たり前だと思う。
◎ 食べたくなければ食べなくていいというのは、簡単な答え方だと思う。当初はお弁当持参の子どもたちは沢山いたと思う。
何故今、出来なくなるかといいうと、心の問題。それは文科省が考えるべき問題ではないかと思う。
◎ 30人のクラスの中で一人二人が、ずっとお弁当を持って行くというのは、どういう対象になるかというのは、
考えれば分かるはず。
◎ 安全だと言うお母さんと危険だと思っているお母さんとの対立を生み、子どもの世界でも同じだという事を、
これからの将来を考えたら、現場でどんな問題が起きているかというのを考えて頂きたい。
『Codomo-Rescue』小澤弘邦
◎ 原発事故の対応はいろんな省庁が関わっており、これは環境省でこれは厚労省などあると思うが、連携が重要だと思う。
子どもが好奇心を持ってする行動の中に放射能汚染の危険が潜んでいるので、その部分は文部科学省が注意し
子どもを放射能から守って頂きたい。
◎次に甲状腺検査に関して
日本中のすべての学校において甲状腺検査を行うべきではないでしょうか?
甲状腺検査だけではなく、尿中セシウム定量調査や遺伝子検査を含む健康調査などを、
福島県だけでなく日本中のすべての学校で長期間、継続的に調査していくことは、
文部科学省の責任ではないでしょうか?
この問いに関しての回答は、
東日本大震災後の健康診断に関しては、環境省の管轄。
文科省の立場としては各教育現場から声が出て来た時に環境省に働きかけるという役割とのこと。
鈴木真理
◎ 何故、甲状腺検査の話を出したかというと、先日の県民健康調査、甲状腺検査評価部会でも
甲状腺ガンが思ったよりも多いという話が出た。
◎ スクリーニング効果で多く見つかったという話だが、見つかった事によって助かった命もあったという事を認めていて、お子さんにこれだけの甲状腺ガンが出たという現実がある。
◎ スクリーニング効果だとしても、これだけ多くの甲状腺ガンが見つかっているのなら、
健康診断として甲状腺検査も文科省で取り入れる事はできないでしょうか。
◎ 県民健康調査甲状腺検査評価部会でも、専門家会議でも、甲状腺検査の結果が出て来ていて、
想定よりも多いという現実があるのに、福島県だけに限定して甲状腺検査を行うのはおかしいと思う。
◎ 東日本広域で甲状腺検査を行うべきではないか。そのための検査体制を文科省が行うべきではないでしょうか。
この問いには、
甲状腺検査も全員に詳細な検査ができればいいが、いろいろな事を考慮した上で決めていかなければならない。
すぐにと言われると厳しいとのこと。
◎放射線核種に関して。
学校や子どもが生活する区域について。
放射線核種に関して、すべての核種に関して計測し、把握しているのか。
例えば、セシウムの汚染地域とストロンチウムの汚染地域は異なる。
放射線核種の問題に関して、文科省はどのようにお考えか。
その問いに関しては文科省担当者の方は
「正確に知らない」
との事だった。
そして気になったのか、文部科学省の担当者が、我々の質問に対し、
復興庁が出している放射線リスクに関する基礎的情報のデータを引用し、
説明してた点。
放射線リスクに関する基礎的情報をダウンロードし、一読して頂きたい。
放射線リスクに関する基礎的情報を読んで、あなたはどう思いますか?
放射線核種のデータに関しては、
『放射線リスクに関する基礎的情報のデータから、チェルノブイリと今回の東電の事故を
比較した場合、チェルノブイリ事故はストロンチウム90がすごく出ている。
チェルノブイリ事故は東電の事故の57倍、プルトニウム239は10.000倍出ている。
(放射線リスクに関する基礎的情報の21Pを紹介)
『今回の事故の場合は、ほとんどがセシウム中心ということは理解されていると思う。』と説明。
◎最後に
文部科学省との面談。
有意義な話し合いが出来たと思うが、やはり子どもを守るという観点から言うと、
厳しい状況にあると思う。
それは、放射能に関する『基準』が原発事故以降、一貫しておかしいからだ。
2011年5月23日、文部科学省に福島のお父さんお母さんが駆けつけた20ミリシーベルト交渉。
放射線に対する感受性が大人よりもはるかに高い子どもに対して、
事故前は年間1ミリシーベルトだった被曝限度の20倍の被曝を強いた。
18歳未満は立ち入る事が許されていない放射線管理区域(年間5.2ミリシーベルト)の4倍の被曝を強いた。
その頃から『基準』は何一つ変わっていない。
それどころか、年間20ミリシーベルトの場所に帰還させる政策が打ち出されている。
放射線核種に関しても、30~100種類放出されたとされる東京電力福島第一原発事故。
文部科学省担当者が言うように、今回の事故で放出された放射性物質は、本当にセシウム中心なのだろうか?
セシウムとの比率という机上の計算で、現実を正確に把握できるのだろうか?
厚生労働省の面談の際に、ストロンチウムの計測が、いかに困難で時間がかかるか、
説明して頂いた。
そして、思った。
放射線核種に関して、全て測れないし、完全に現実を知れない。
『現実を知れない』のに、
『安全』なのだろうか?
『現実を知れない』のに、
どうやって『安心』すればいいのだろうか?
レポート/写真:『Codomo-Rescue』平野大輔
codomo-rescueからの申入れに対する回答について
文部科学省
平成26年12月15日
1)放射線管理区域(0.6マイクロシーベルト/時、1平方メートル当たり4万ベクレル)に相当する場所、
超えている場所で、子どもが生活をし、放射線管理区域と一般の生活区域の状況が入れ替わって
しまっています。
放射線管理区域は、原発作業員の白血病が労災認定された、年間5、2ミリに相当します。
そのような放射線管理区域に相当するような場所で、学校生活が行われているのは
異常だと思いませんか?
(回答)
文部科学省では、平成23年8月26日に発出した「福島県内の学校の校舎・校庭等の線量提言について(通知)」において、学校において児童生徒等が受ける線量については、原則年間1m㏜以下としつつ、
これを達成するため、校庭・園庭の空間線量率については、児童生徒等の行動パターンを考慮し、
毎時1μ㏜未満を目安とすることとしています。
御指摘のあった学校についても、この考え方に基づいて活動が行われていると認識しております。
2)学校や子どもが生活する区域について
セシウムに限定された空間線量だけで判断するのではなく、東日本広域の土壌検査を細かく計測し、
対策を講じるべきではないでしょうか?放射線核種に関して、30~100種類放出されたとされる
すべての核種について計測し、把握しているのでしょうか。
セシウムの汚染地域とストロンチウムの汚染地域は異なるのはご存知の通りだと思います。
放射線核種の問題に関して、文科省はどのようにお考えでしょうか?
すべての核種の汚染状況を、文部科学省が把握し、対策を講じて下さい。
(回答)
現在、福島県内の学校等における放射線量のモニタリングについては、総合モニタリング計画に基づき、
原子力規制委員会や福島県を中心に行われており、その中では空間線量率が把握されています。
また、各種放射性物質については、子どもの生活環境に限らず、広く詳細分布状況の把握調査が
実施されています。
文部科学省としては、対応を注視しつつ、福島県や福島県外の自治体から要請があれば
原子力規制委員会等と連携して対応してまいります。
3)『2012年1月1日に完全施行となった「放射性物質汚染対処措置法」で0・23μ㏜/h
(年間1mSvに相当)以上の区域について、環境省の支援の下、市町村等が計画を定め、
子どもの生活環境を最優先に除染することになっている。』とされているが、
学校などの除染は管轄がはっきりとしているので優先的に行われているようですが、
通学路やその付近の土壌汚染の除去に関して、網羅していません。
そのことに関してどのようにお考えでしょうか?
(回答)
放射性物質汚染対処特措法以後の除染については、環境省の支援の下、市町村等が計画を定め、
児童生徒等の生活時間が多い学校や公園等の子どもの生活環境に関連する施設を
最優先に除染が進められてきました。
また、通学路等の子どもが行動する範囲についても除染の範囲に含まれており、
福島県外の各市町村においては住宅、道路の約9割が終了するなど、順調に進捗しているものと承知しています。
文部科学省としても、児童生徒等が受ける放射線量の低減のため、引き続き環境省等と連携して
対応してまいります。
4)学校給食に関して。
内部被曝を平均的個人でくくらず、細かく分類し、早急に大幅に安全基準を引き下げ、
土壌調査を広範囲、多核種にわたって詳細に行うことが必要です。
その結果が出るまでは、東日本での給食に安易な地産地消を取り入れるというのは容認出来ません。
また、日本全国の給食においても同様に、多核種にわたって計測されていない東日本産の食材を
使用する事も容認出来ません。
そのことに関してどのようにお考えでしょうか?
(回答)
食品の安全については、厚生労働省、様々な観点を考慮して定めた基準値(平成24年4月1日施行)に基づき、
出荷段階における放射線検査が行われており、基準値を超える食材については出荷制限の措置がとられています。
これらの措置を前提とする限り、学校給食において、産地に関わりなく、現に市場に流通している
基準値未満の食品を使用することは、安全、安心の確保の観点からも問題はないものと考えられます。
5)学校給食に関して。
復興庁が出している『放射線リスクに関する基礎的情報』の19P
『2012年4月1日からより一層の安全安心を確保するため、事故後の緊急的な対応としてではなく、
長期的な観点から、食品の摂取により受ける追加の預託実効線量の上限を年間1ミリシーベルトとし、
これに基づいて、食品の放射性セシウムの基準値を設定しています
※放射性セシウム以外の放射性物質からの影響も考慮し、年間1ミリシーベルトを越えないように設定※』
とされていますが、食品の放射性核種を計測し把握していなければ、核種の半減期も分からず、
預託実効線量の計算は不可能だと思います。
また、内部被曝1ミリシーベルトとありますが、個人個人、ライフスタイルも食生活も違います。
何を基準にして誰を基準にして計測しているのでしょうか?
預託実効線量による評価ではなく、食品の放射線量自体を厳しく(放射線核種も)計測し、
食品の全量検査を実施し、ベクレル数を把握した食材を優先的に学校給食に
使用するべきではないでしょうか?
(回答)
食品の安全については、厚生労働省が、様々な観点を考慮して定めた基準値(平成24年4月1日施行)に基づき、出荷段階における放射線検査が行われており、基準値を超える食材については出荷制限の措置がとられています。
これらの措置を前提とする限り、学校給食において、現に市場に流通している基準値未満の食品を
使用することは、安全、安心の確保の観点からも問題はないものと考えられます。
6)(略)県民健康管理調査において、甲状腺がんの発生の増加はスクリーニング検査によって発見されたと
されているが、甲状腺がんの数値は、当初の予想よりも多いという事を認めている。
スクリーニング検査の結果、甲状腺がんが多いと認識できたのならば、日本中のすべての学校において
甲状腺検査を行うべきではないでしょうか?
甲状腺検査だけではなく、尿中セシウム定量検査や遺伝子検査を含む健康調査などを、
福島県だけでなく日本中のすべての学校で長期間、継続的に調査していくことは、
文部科学省の責任ではないでしょうか?
(回答)
福島県以外における放射線が健康に与える影響の調査については、自治体や環境省において具体的な検討がなされるものと考えています。
なお、文部科学省としては、環境省等における対応を注視しつつ、子供の健康の保持増進を図るという観点から、福島県や県外の自治体において学校健診の中で放射線検査を実施したいという意向があれば、必要な協力を行ってまいります。
8)新しい放射線副読本により、小中高生に放射線に関する誤った危機管理意識を植え付ける事を
やめて頂きたいです。
(新しい放射線副読本/小学生版 )http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2014/03/03/1344729_1_1.pdf
(新しい放射線副読本/中・高生版 )
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2014/03/03/1344729_2_1.pdf
(回答)
学校教育において、児童生徒が放射線に関する知識を科学的に理解し、科学的に考え行動することは重要です。
このため、平成25年度に作成、配布した「新しい放射線副読本」では、福島第一原子力発電所事故の
ことについて紹介するとともに、その理解に必要な放射線に関する基礎知識や放射線からの
身の守り方等を解説しています。
この中で、事故によって多くの人々が大きな被害を受け、今なお困難な状況にあること等にふれるとともに、
風評被害やいわれのない偏見・差別が生じたこと等を紹介し、このことについて児童生徒に考えさせる記述も行っています。
今後とも、児童生徒が放射線についての科学的な知識をもち、科学的に考え行動することができるよう、
放射線に関する教育の充実に努めてまいります。
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